[体験記]スペースシャトルの実物が見られる:カリフォルニア・サイエンス・センター

カリフォルニア・サイエンス・センターの概要

カリフォルニア・サイエンス・センターは、カリフォルニア州ロサンゼルスの「エクスポジションパーク」内に位置する西海岸最大級の科学博物館で、実物のスペースシャトルが展示されていることで有名です。(注:2025年4月現在、スペースシャトルの展示は一時的に休止しています。)

科学に興味のある方はもちろん、家族連れや学校のグループにも人気のスポットです。インタラクティブな展示やプログラムを通じて、あらゆる年齢の訪問者が科学への好奇心を刺激される場所となっています。

基本情報

  • 所在地: 700 Exposition Park Drive, Los Angeles, CA 90037
  • 営業時間: 毎日午前10時〜午後5時
  • 入場料: 常設展示は無料(特別展やIMAX映画は有料)
  • アクセス: メトロオリンピックラインのオリンピックパーク駅下車すぐ

スペースシャトル・エンデバー号

エンデバー号について

スペースシャトル・エンデバーは、NASAのスペースシャトル計画で最後に建造された軌道船で、チャレンジャー号の後継機として製造されました。その主な特徴は:

  • 初飛行: 1992年5月7日(ミッションSTS-49)
  • 全長: 約37メートル(122フィート)
  • 総ミッション数: 25回
  • 総周回数: 4,671回
  • 総飛行距離: 約1億9,760万キロメートル(1億2,288万マイル)
  • 宇宙での総滞在時間: 299日間

エンデバー号の重要なミッションには、ハッブル宇宙望遠鏡の初めての修理ミッション(STS-61、1993年12月)や国際宇宙ステーションの最初のアメリカ製モジュール(ユニティ・モジュール)の設置(STS-88)などがあります。

展示の概要

最終的な展示施設が完成するまでの一時的な展示として仮設ハンガーに支えられた状態で展示されていました。この展示では、見学者がシャトルの下部や側面を間近に観察できるようになっており、機体の外装や耐熱タイルの損傷跡など、宇宙飛行の痕跡を直接見ることができました。そして、なんといっても機体の巨大さは圧巻です。

2025年4月現在の展示状況

スペースシャトル・エンデバーは2025年4月現在、一時的に展示を休止しています。2023年12月31日に展示を終了し、新しい常設展示施設「サミュエル・オーシン航空宇宙センター」(Samuel Oschin Air and Space Center)が完成するまでの数年間、一般公開されません。この新施設は建設中で、2025年半ばに建物の建設が完了する予定ですが、展示物の設置などを経て一般公開されるのはその後になります。

新しい常設展示施設では打ち上げ直前の垂直配置で展示される予定で、外部燃料タンクや固体燃料補助ロケットとともに、実際の打ち上げ時の構成を再現しています。

新しい常設展示施設の完成予想模型:スペースシャトルを立てた状態で展示予定

ハッブル宇宙望遠鏡

展示の概要

「Stars & Telescopes(星と望遠鏡)」セクションの一部として、ハッブル宇宙望遠鏡の展示があります。この展示には、ロッキード社から寄贈された1/5スケールのハッブル宇宙望遠鏡モデルが展示されています。

ハッブル宇宙望遠鏡について

ハッブル宇宙望遠鏡は現在地球を周回している最高の光学望遠鏡で、宇宙飛行士による定期的なサービスと更新が可能な初の科学プロジェクトです。主な仕様は以下の通りです:

  • 打ち上げ日: 1990年4月24日
  • 打ち上げ機: スペースシャトル・ディスカバリー
  • 地球周回時間: 約95分
  • 軌道速度: 時速16,900マイル(27,200 km/h)
  • 高度: 370マイル(600キロメートル)
  • 最初のサービスミッション: スペースシャトル・エンデバー、STS-61、1993年12月
  • 最終サービスミッション: スペースシャトル・アトランティス、STS-124、2009年5月

ハッブル宇宙望遠鏡の科学的成果

展示では、ハッブル望遠鏡が日々10〜15ギガバイトの画像とデータを地球に送り返していることや、これまでに25,000以上の宇宙の特徴(遠方の銀河、ブラックホール、星が誕生する星雲など)を調査したことが紹介されています。

アポロ11号

アポロ宇宙船の展示

アポロ-ソユーズの司令船モジュールが展示されています。これは1975年7月に打ち上げられたもので、元々はアポロ18号として月に飛行する予定でしたが、アポロ計画の予算削減により、その使命が変更されました。この宇宙船は、地球軌道上でロシアのソユーズ宇宙船とドッキングするミッションに使用された実物です。スミソニアン航空宇宙博物館からの貸出品として展示されています。

月の石サンプル(ルナサンプル)

センターの「SKETCH Foundation Air + Space Gallery」では、月の石のサンプル(ルナサンプル)も展示されています。これはアポロミッションで地球に持ち帰られた貴重な月の岩石の一部です。

バイキングランダー

バイキングランダーの展示

火星に着陸した最初のアメリカの宇宙船である「バイキングランダー」の実物大エンジニアリングモデルが展示されています。この展示は「Mission to the Planets(惑星への使命)」セクションの一部として公開されており、私たちの太陽系を理解するために送られた惑星探査機を紹介しています。

バイキングミッションについて

バイキングプログラムは、1975年に打ち上げられ1976年に火星に着陸した2機の同型宇宙探査機(バイキング1号とバイキング2号)からなるミッションでした。

NASAのミッション管制室

NASAのミッション管制室を再現した展示が行われています。この展示では、実際のミッションで使用された機器や映像を通じて、宇宙飛行の指令がどのように行われていたかを体験できます。また、宇宙飛行シミュレーターも設置されており、訪問者は宇宙飛行士の視点からミッションを体験できます。

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