日本とは異なった階数の概念
ヨーロッパ式の階数の数え方は、日本やアメリカとは異なります。
一般的に、ヨーロッパでは地上階を「0階」または「地階」(Ground Floor)として数えます。そして、ヨーロッパの1階は日本の2階に相当し、それ以降は順に2階、3階と数えられます。このため、日本での3階は、ヨーロッパでは実際には2階と呼ばれます。つまりホテルで「105号室」は日本でいうところの2階にあるので注意が必要です。
私はあるとき、チェックインしたホテルで「105号室」のキーを渡されたのでフロントと同じ階で部屋を探してしまいましたが見つからず、実はフロントは0階(地上階)なので、エレベータで1階上の階に上がってようやく部屋を見つけることができました。
また、イギリスでは、最初の地上階を「Ground Floor」と呼び、その上の階を「1st Floor」、「2nd Floor」と数えます。これにより、エレベーターの表示や建物の案内などで混乱が生じることがあります。
そして、オーストリアやドイツのような国々では、地下階はマイナス(-1, -2)で表記されることもあり、地下1階は「-1」、地下2階は「-2」です。これは、各国の文化や不動産管理の慣習によるものです。
この数え方の違いは、歴史的な背景や建築様式の違いから来ているとも考えられています。特に、ヨーロッパでは、地上階を別として考えることが多く、そのため、階数の数え方がこのように定まったと言われています。
ヨーロッパ各国のエレベーター表示
ドイツのエレベーター表示

ドイツでは地上階(地面に最も近い階)を0階、すなわちドイツ語で「Erdgeschoss」と呼びます。エレベータでは「E」と表示され、これに続いて、その上の階は1階として数えられます。また地下はドイツ語で「Keller」なので「K」と表示されます。
ホテルでの外出時に外に出たいときは「1」を押すのではなく「E」を押さなくてはなりません。しかし、つい習慣で「1」を押してしまい、ドアが開くと2階だったということが何度もありました。
フランスのエレベーター表示
フランスでは、0階(地上階)は「0」もしくは「RC」Rez-de-chausséeと表示されています。
イギリスのエレベーター表示
イギリスでは、0階(地上階)は「0」もしくは「G」Ground Floorと表示されています。
国による階数の数え方の違い
世界各国で建物の階数の数え方は異なり、これが国際的なコミュニケーションにおいて混乱を招くことがあります。階数の数え方の違いは文化的背景や歴史的慣習に根ざしており、特に旅行者や国際ビジネスに携わる人々にとって重要な知識です。
日本・北米方式(1階始まり)
日本、アメリカ、カナダなどでは、地上に接する最初の階を「1階」と呼びます。
- 地上階: 1階、2階、3階…と数えていきます
- 地下階: 地下1階(B1)、地下2階(B2)…と表記します
ヨーロッパ方式(0階/グラウンドフロア始まり)
イギリス、フランス、ドイツなど多くのヨーロッパ諸国では、最初の階を「0階」または「Ground Floor(G)」と呼び、その上の階を「1階」とします。
- 地上階: G(または0)、1階、2階…と数えます
- 地下階: 地下1階、地下2階…と表記します
中国・韓国方式
中国や韓国も基本的に日本と同様に1階始まりですが、特に中国では迷信的な理由から特定の階数(4階や14階など)を省略することがあります。