リンダーホーフ城
リンダーホーフ城は、バイエルン王ルートヴィヒ2世によって建設された3つの城(ノイシュヴァンシュタイン城、ヘレンキームゼー城、リンダーホーフ城)のうち、唯一完成した城です。1874年に着工し、4年後の1878年に完成しました。この城は彼の隠れ家としても知られており、豪華な装飾と美しい庭園が特徴です。
この城は、フランスのベルサイユ宮殿を模したデザインで、特に大トリアノン宮殿に影響を受けています。内部にはルイ14世やルイ15世、マリー・アントワネットなどの像が置かれ、彼らに対する深い敬意が表れています。
ちなみにリンダーホーフとは「菩提樹の日陰のような居心地の良い宮廷」を意味します。

建築スタイルと内部の豪華さ
リンダーホーフ城は、ロココ様式で設計されており、内部には美しい壁絵や贅沢な装飾が施されています。特に目を引くのは、オペラ「タンホイザー」の影響を受けたヴィーナスの洞窟で、人工的に作られた鍾乳洞があり、当時の最新技術でライトアップされています。

お城としてはこじんまりしていますが、内部は全面が黄金の部屋や、全面が鏡の部屋等、いろいろなテーマ性を持った部屋があり、装飾はとても美しいものです。(内部撮影禁止)
魔法の食卓
リンダーホーフ城には特別な仕掛けが施された食卓があります。この食卓は「魔法の食卓」と呼ばれ、王が一人で食事を取る際に使用されたもので、召使いと顔を合わせることなく食事ができる工夫がされていました。食卓は完全に自動化されたシステムで、料理が準備されると、テーブルを下の階から上昇させることが可能になっています。
さらに、リンダーホーフ城の食堂は豪華に装飾され、王が食事を取るための環境は非常に贅沢です。食卓は、王の一人の時間を尊重するために設計されており、一般の目から隔てられた空間での食事を可能にしました。これにより、ルートヴィヒ2世は自らの趣味や幻想的な思考を満喫することができたのです。また、料理は台所から昇降機を使って運ばれるため、召使いとの接触が最小限に抑えられ、彼にとって必要不可欠なプライバシーが確保されていました。
ルートヴィヒ2世は人目を避けて孤独に食事を取ることを好み、通常は4人分の料理を用意させながら、自らは一人で食事を楽しんでいました。これは彼の想像上の友人たち、例えばフランスの歴史的人物であるポンパドール夫人やデュ・バリー夫人に捧げるかのような形で食事を取るものでした。
美しい庭園
リンダーホーフ城の魅力の一つに、庭園の金色の女神像がある噴水や、バロック様式のエッタール修道院が近くに位置している点も挙げられます。庭園は広大で、装飾が施された様々な小道や池があり、訪れる人々に安らぎを提供します。さらに、リンダーホーフ城は、19世紀のヨーロッパにおける王族の夢や幻想を反映した場所とも言え、ルートヴィヒ2世の個人的な信念や美学が色濃く表れています。




30m以上の高さまで上がる噴水ショーですが、一定の時間ごとに噴射されるので運が良ければ見ることができます。
王の別邸

城に行く途中にある王の別邸です。マクシミリアン2世の死後にルートヴィヒ2世が相続し、1874年にリンダーホーフ城に改築する際に現在の場所に移築されました。
リンダーホーフ城への行き方
ミュンヘンからリンダーホーフ城に行く方法は、列車とバスを利用することです。まず、ミュンヘン中央駅からオーバーアマガウ行きの列車に乗ります。この区間の所要時間は約1時間半です。オーバーアマガウで下車後、駅前からリンダーホーフ城行きのバス(バス番号9622や9624)に乗り換えます。バスの所要時間は約30分です。
また、ミュンヘン発の日帰りバスツアーもおすすめです。このツアーを利用すると、効率的に周辺の観光地(ノイシュバンシュタイン城、ヴィース教会、オーバーアマガウ等)を訪れることができますのでたいへん便利です。特に日本人ガイド付きのツアーでは日本語で各観光地の歴史的な背景等の説明や、各観光地のチケッティングまでしてくれるのでとても有意義な1日を過ごすことが出来ました。


