[体験記]フレスコ画とキリスト受難劇で有名な村:オーバーアマガウ

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オーバーアマガウは、ドイツ南部のバイエルン州にあるとても美しい村で、家の外壁がフレスコ画といわれる立体的な絵で装飾されているのが特徴です。

また、10年に一度開催される「キリスト受難劇」で有名です。この劇は、1634年から続いている村人全員が出演するというもので、もとはペストの流行から村が守られたことに感謝するために始まりましたが、現在では世界中から観光客が訪れる大規模なイベントとなっています。

フレスコ画

18世紀から描かれ始めたフレスコ画が多くの家の外壁を飾っています。キリストにちなんだ宗教画やグリム童話をテーマにした絵もあり、散策しながら楽しむことができます。

フレスコ画は、漆喰が乾かないうちに水彩絵の具で描く技法であり、オーバーアマガウではこの技法が伝統的に用いられています。漆喰の上に描かれるため、絵は非常に耐久性があり、長い間その美しさを保つことができます。この技法は、古代から続くもので、特にルネサンス期に盛んに使用されました。

ガラスの入っている窓枠部分は本物ですが、窓枠上下にある装飾や建物の角の部分の柱は壁に描かれた絵であり、影まで壁に描かれており立体的に見えるので絵ではなく本物の装飾のように見えます。

木彫り製品

オーバーアマガウは、木彫り製品の伝統的な生産地としても知られています。この地域の木彫り製品は、特にその精巧さと独自のデザインで評価されています。

オーバーアマガウの木彫り製品は、特にその歴史的背景と文化的意義においても注目されています。オーバーアマガウは、15世紀から木彫りの伝統が根付いており、特に宗教的なテーマが多く扱われています。これにより、木彫り製品は単なる装飾品や玩具にとどまらず、地域の信仰や文化を象徴する重要な役割を果たしています。

また、オーバーアマガウの木彫り製品は、コレクター向けの繊細な工芸品としても知られています。これらの製品は、子供の遊びには不向きであり、主に大人の趣味やコレクションとして楽しまれています。さらに、製品の多くは、オーバーアマガウの職人によって手作りされており、各作品は独自の特徴を持っています。これにより、同じデザインの製品でも、微妙に異なる表情や仕上がりが楽しめます。

キリスト受難劇

この受難劇の起源は1634年に遡ります。当時、村はペストの流行に見舞われ、多くの人々が亡くなりました。村人たちは神に祈り、もし生き残った場合にはキリストの受難劇を演じることを誓いました。その後、村はペストの影響を免れ、約400年にわたりこの劇が続けられています。

受難劇は通常、二部構成で、合計約5時間の上演時間があります。演劇の合間には歌唱シーンがあり、舞台美術も変化しながら物語が進行します。

この受難劇には約1800人が出演し、村の人口の約3分の1が関与しています。上演にあたる年は、村人たちは本職を休むこともあり、特に重要な行事として位置づけられています。また、上演は毎年行われるわけではなく、10年ごとに行われるため、村全体がこのイベントに向けて準備を進めます。

キリスト受難劇が上演される劇場

次回の受難劇はいつ?

元来は1990年、2000年、2010年と10年毎に開催されてきましたが、コロナの影響で2020年には開催できずに2022年に開催されました。よって次回は2032年となりますが、さすがにまだチケットの予約は始まっていないようです。(2025年時点)

オーバーアマガウへの行き方

最も近い空港はミュンヘン国際空港で、そこからは鉄道、バス、タクシーを利用してオーバーアマガウに向かうことができます。バスを利用する場合、ミュンヘン中央駅からオーバーアマガウ行きのバスがあり、所要時間は約2時間です。

オーバーアマガウの周辺にはリンダーホーフ城、ノイスヴァンシュタイン城、ヴィース教会などの有名な観光地があり、これらを日帰りで観光出来る現地バスツアー(日本語ガイド付き)がお勧めです。

ミュンヘン出発1日観光ツアー (日本語ガイド付き、入場料込み)

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